2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

未経験の「恩恵」を見切ることが難しい理由

例えば二つの選択肢を比較するとする。どちらも過去に選択した経験があれば、どちらが有利か正確に予測できるし、状況の変化に応じて選択を変えることもできる。しかし、そこに未経験の選択肢が含まれていると、選択は困難になる。具体的には、「就職か大学…

greedyな行動を取るために

例えばピザ屋のポイントが貯まっていれば、料金を払わずに注文することができる。特に規約上問題ないが、「宅配してもらうのに料金を一銭も払わないのは申し訳ない」と考える人もいるだろう。性格の問題でもあるのだが、ある時点までそういう考えを持ってい…

プライドについて

プライドの解釈はいろいろあると思う。プライドの高い人間を外部から見ると、「欲求に対して正直でない」ことが多い。というか、欲求を特定の行動で充足できるにも拘わらず、行動を起こさない。もちろん、その行動自体が好ましいもの、あるいは中立的なもの…

師弟とか媚びとか

教育が産業と化した現在でも、師弟関係を上手く維持することは専門知識を得る上で重要である。とすると弟子の立場で関係の円滑化を図るためには、師に媚びる必要があるのだろうか? ある面ではそれは正しい。ただ露骨な媚びでなくても、学ぶ熱意や上達を示せ…

他の手段の存在とモチベーション

何らかの活動をしていて、目的の達成のための解決策が一つ浮かんだとする。ただその方法はそれなりの労力を必要とする。もちろん他に解決策がないのなら(目的の達成のためには)それを実行するしかないが、「少し検討してみる」ことで解決策が浮かびそうな…

不安と希望の境

現在の予測と異なる現象を想起した場合、それが(現段階での期待を脅かす)不安要素として認識される場合もあれば、(さらに状況を好転させる)希望として認識される場合もある。どちらとみなすかは現在の予測と想起した現象の関係によるが、個人の性格にも…

「無駄になるかもしれない」ことをやるために必要なこと

「無駄になるかもしれない」ことはなかなか手がつけられない。ただ、実際はそういうことでも着手した方が後の利益になることが多い。そういう作業に取り組むために必要なことは何か?中には「常に勤勉たるべし」「無駄なことなど何もない」という考えだけで…

個性とか独創性の希求について

年を取ると「平凡でも満ち足りた暮らしができればいいんじゃね?」と思うものだが、若いころは個性やら独創性やらに拘る。これはなぜか? 一つの考え方は、「他者からの評価(注目)」をある一点で充足しようという意図なのではないかということ。「一点で充…

フィードバックの速さとモチベーション

人間は効果のない行動を持続するのは困難である。ただ「効果がない」ことを認識するまでの時間には個人差がある。 「効果がない」ことを認識するのが早い人間は、必ずしも正しく現状を認識しているわけではない。本来なら時間がたてば効果が出るものでも、観…

諦めやすさと関連性の気づきにくさ

どちらも自閉傾向と関連があると思う。で、さらに似たような機構によるのではないかと。 「諦める」とはすなわち、報酬を得る前に行動の動機が尽きることで、「諦めない」ためには報酬が得られない状態でも、過去の報酬と関連付けられたものが想起できること…

学習の方法とモチベーションに関する一考察

例えば大学受験に関しては様々な「学習法」が提案されている。効果的なものもあればそうでないものもあるし、効果に個人差もある。実際のところどの方法でも大きな違いはないだろうし、併用することも可能なのだが。 高校生くらいの段階だと、必ずしもそうい…

性格と処世術

例えば、特定の組織がリーダーの後継者を選ぶ場合、単純に成績だけでなく、日頃の振舞いなども考慮して決めるのだろう。ただ「日頃の振舞い」は定量化しにくいので、(評価する側はともかく)評価される側はどの程度労力を割くべきか、また「何に(具体的に…

難易度とsalience

学習が行われていない状態で、特定のものなり行為なりのsalienceは生得的な外界の事象への反応性に依存する。報酬との関連付けが行われた場合、一般にsalienceは強まるが、それは報酬の大きさにも依存するが同時に起こさなければならない行動の難易度・労力…

単一の目的に対し、手法が多いと心地よい理由

強化学習の枠組みに無理やり当てはめれば、目的は報酬に相当し、手法は手掛かり刺激もしくは行動に相当する。 ある目的が単一の手法で解決できるなら、単一の手法しか手掛かり刺激にならない。またある目的の達成に複数の行動が必須なら、一つでも実行できな…

偏差値至上主義とか

高校などの模試の成績や偏差値に異常なほど拘る人間がいる。あの手の指標が魅力的である理由は何か? 自分の優秀さを示すものだし、入れる大学のランクに影響するので、実益にも寄与する。ただそれだけが理由ではないだろう。 おそらく「単一の指標」を上げ…

目的のシフトとか純粋主義とか

特定の目的に向かって努力していたとして、その目的の達成が不可能だと分かったとする。ただ目的を少し変えれば達成が可能だし、今までの努力を生かすこともできる。そういう状況で「目的の修正」ができることはモチベーションを維持する上で重要だが、若い…

報酬予測誤差を維持することが困難な理由

当然の話だが、複数回同じ状況を経験すれば「予測可能」になり、予測誤差(退屈を紛らわす効果がある)は小さくなってしまう。退屈な日常から逃れるためには「予測誤差」を維持する必要があるが、(新規な行動を起こすとか、金を払ってコンテンツを得るとい…

先行の刺激に発見による反応性の喪失

生得的な報酬にしろ、学習した手掛かり刺激にしろ、それに先行する刺激を学習した場合には、それらがドーパミン系の反応を引き起こさなくなる。 先述の「必然性の有無」はこの話に関わってくるのでは?すなわち、報酬に向かった際に、必要な行動の分だけドー…

目的に依存した支援と全般的な支援

例えば幼少期の「困ったら親が助けてくれる」というのは「全般的な支援」だろう。大人になってからはそういう支援は稀で、目的に応じた支援が一般的である。例えば体の調子が悪ければ医師に相談するだろうし、就職先がなければ大学の就職課なりハローワーク…

公正な競争に拘る理由

いわゆるスポーツマンシップとかもそうなんだけど。公正な競争に拘る理由の一つは、「何でもありなら勝てて当たり前」だからだろう。ゆえに枷がないと面白みがない。 ただ「何でもありなら勝てて当たり前」かどうかは人による。「策を弄しても勝てるかどうか…

誤解に基づく行動に対する不快感

情報の欠落によって積極的な行動を起こせる人間に対して、不快感を抱くことがある。それは嫉妬に近い面もあるのだろう。すでにその行動に効果がないという情報を得てしまった人間は、そのための動機を維持することができないので。 人間がもし「目的を達成す…

目先の快楽と先見性

「先見性」も何かしら好ましい刺激を求めた結果なわけで、目先の快楽を追うことと本質的な違いはない。ただ、わざわざすぐに手に入らないもののために動くというのは特殊な状況ではある。目先の快楽ではなく先見性に基づいて動くのはどのような機構によって…

必要性の連鎖と新たな価値観の形成

宝くじが当たれば嬉しいが、それは「金が必要」だからである。また宝くじの必勝法なんてものを研究する人間もいるが、その研究が意味を持つのは「宝くじが当たると嬉しいから」である。ある好ましい状態はそれをもたらすものへ次々と価値を伝播させていく。

過去の事象の「まとめ」と先見性

未来に得られるであろう刺激を予測し、しかも一般化された形でそれを待ちうけることができれば、充実した日々が送れるだろう。「一般化」の効能は少ないコストで多くの刺激を受容できることだと思うが、一般化を行う動機は必ずしもそれだけではなく、直前の…

受容体の配置

この場合の「受容体」は必ずしも生物学的な受容体を指すのではなく、抽象的な概念として。「アンテナ」なんて表現の方が紛らわしくなくていいかもしれないが。 思うに人間には有限個のアンテナがあって、それを割と自由に配置することができる。特定の他者に…

必要性の認識

例えば一定以上の年齢であれば、その時点で親から支援が期待できる、あるいはそれなりに貯蓄があるという状況でも、「自分で稼がねば」と思うのが普通だろう。そういった必要性の認識が生じる条件は何か?おそらく「それがないと持続可能な生活が送れない」…

一般化の程度と思考の遷移

例えばテレビゲームの好きな高校生がいたとする。その子は基本的に勉強は嫌いなのだが、たまに面白いと思うこともある。そう思ったら勉強に取り組めばいいのだが、「でもゲームの方が楽しい」と結局ゲームをしてしまうかもしれない。 「ゲーム」と「勉強」が…

「楽な方法があるのではないか」という疑念

何らかの目的が定まり、それを達成する方法も見えたら、あとはそれを実行するだけだが、その段階で「他に楽な方法があるのではないか」という考えが浮かんで、目的達成の方法を実行できない場合がある。もちろん「他に楽な方法がある」場合もあるだろう。し…

前向きな生き方について

基本的にアプローチ可能な関心の対象が存在している時は「前向き」に生きられる。それがないと、他の何かで関心を充足する必要があるが、その際に「後ろ向き」な関心が生じてしまう場合があり、その関心を想起している間歩みが止まるだけでなく、その後ろ向…

優れた芸術品・趣味品を持つ意義とは