2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

他者の評価に根差した目的と自身の満足に根差した目的

「他人の評価を期待するとろくなことがない。自分で満足できるものを選ぶべき」とよく言われるし正論だと思う。ただ両者の境はそれほど明確ではない。 「自分で満足する」にも多少なりとも「他者からの評価」は含まれているのが普通だろう。「評価」というと…

習慣の形成に関する一考察

当たり前と言えば当たり前なんだけど、理性で「好ましい」と考えてる習慣がすぐに定着することはほとんどなく、習慣化されなくても何度かその方法で好ましい刺激が得られた場合に、定着することが多い。

割引率と機会費用

すぐにもらえる1万円と、1ヶ月後にもらえる2万円のどちらを選ぶか?別にどちらを選んでもいいのだが、後者を選んだ場合、何もしなくても2万円もらえるのか、1ヶ月の間行動に何らかの制約がかかるのかで全体の利益が変わってくる。もし1ヶ月待つ場合に何…

より優れたものを手に入れるために待つか、即座にそこそこのものを手に入れるか

割引率の問題でもあるし、マキシマイザースケールの問題でもある。典型的なのは大学受験で、現役時代に第一志望に落ちたが滑り止めに受かったという場合に、浪人して第一志望を目指すか、そのまま滑り止めに入るか?(まぁ仮面浪人という折衷案もあるけれど)…

円熟と新しさ

大人は円熟を求め、子どもは新しさを求めるという。直感的に理解できるが、それは何故だろうか? そもそも「円熟」や「新しさ」の定義が難しい。「円熟」の一つの解釈は、(新しさとの対比で言えば)「新たな価値は提供しないが、既存の価値をバランスよく満…

目標の優先順位や頑健さを規定する要因

複数の目標があった場合、直感的にその目標に優先順位をつけることができる。しかしどのような基準で順位をつけているのか、必ずしも明確でない。

より高次な目標の提示による思考・行動の切り替え

例えば、一定の流儀に従って勉強していたとする。で、ある時その流儀から外れる方法の方が効率的だと気付いたとする。その場合、「流儀」にさしたる意味はないので、効率を選ぶのが合理的だが、本人にとっては「流儀」も意味を持つので、容易に捨てられない…

純粋主義に関する一考察

AとBとCを満たした状態でDが得られたとする。その後Dが欲しくなった際に、AとBとCの全てを揃えることにどの程度固執するか?

報酬の大きさとは

報酬の価値を定量することは難しい。1億円は数字の上では1万円の1万倍の価値があるが、人間にとって1億円はそこまで価値がないだろう。1万円ならすぐに具体的な使い道を思いつくが、1億円だと持て余してしまうからだ。(この辺はすでに山ほど研究があるので…

困難なことに挑戦する理由

人間にそういう傾向があること自体は誰もが認めるだろうが、その動機がどのようなものかは自明ではない。「困難なものほど他者に評価されやすい」というのはあるだろう。そういう打算は理解しやすいし、実際それなりに機能するのだと思う。 ただおそらく本質…

独りよがりな思考が生まれる理由

「独りよがりな思考」が常に誤りとは限らないが、基本的に精度は低い。独りよがりでない思考がどのように生じるかというと、他者の見解を求めてそれと考慮した上で自分の見解を再構築するのであろう。それが逆に誤りを生む可能性もあるが、極端におかしな思…

固有の価値と類似性と代替可能性

ものを捨てるか捨てないかは、単純にそのものの価値で決まる訳ではない。価値のあるものでも、それと類似したものでより価値の高いものがあれば捨てるだろうし、価値がさほどなくても、類似したものを持っていなければ捨てるのは躊躇われる。

代替可能性の認識とドーパミン

ドーパミンの多寡で代替可能性を判断するというわけではなくて、むしろドーパミンというか予測誤差というか既知のものとの差分によって「代替可能性」らしきものを近似的に認識しているのでは?いずれにせよ、ドーパミンが分泌されてしまうと、その対象から…

視野が広がるとか新たな価値の認識とか

十代や二十代はそういうことがしばしば起こる。問題なのは、それらが既存の価値観と冷静に比較されることが稀で、実態以上に高く評価されてしまうこと。結果的に既存の価値観で相応の価値を与えられていたものが、おざなりになってしまう。 「既存の価値観で…

無理な方法に固執して頓挫する理由

最終的な目的が同じでも、そのための方法を適宜修正する場合はある。状況に応じて方向性を変えるということもあるだろうが、モチベーションを考慮して「負荷を下げる」場合と「負荷を上げる」場合もある 基本的に「負荷を下げる」のであれば、さほどやる気が…

代替可能性の認識について

例えば「最近着てない服を捨てられるかどうか?」は、その服の代替可能性の認識に影響される。 自分で服を買ったことがなく、親に買ってもらうしかない子供の場合、最近着てない服でも代替可能性は低く感じられ、なかなか捨てることができない。成長し、頻繁…

物を捨てる際の思考

大雑把に言えば「必要か不要か?」という判断なんだろうけど、もう少し細かく考えると「その物の価値(例えば役に立つ確率×役に立った時の効用)」が閾値を上回ったら捨てられず、それ以下なら捨てられるのだと思う。ではその「価値」と「閾値」はどのように…

決断の必要性と代替案と楽観的な期待

人間の判断が正しい時もあれば、間違っている時もある。判断を下すのに無限の時間をかけられれば判断の精度は向上するだろうが、実際はそのような状況は稀である。 誤った判断を下した場合でも、「決断しない」よりはそちらの方がマシだったのかもしれない。…

資金の多寡と物の惜しさ

仮に不要な物を(1万円くらいで)買ってしまったとする。その「不要な物」は嵩張るので、ずっと置いておくのは得策でない。ちなみにその「物」は量産品で、再び必要になれば購入できるものとする。 上記のような状況で、資産が数億円ある人間ならおそらく捨…

固執と他者からの評価

あるものへの関心が強迫的になっていると、そのものへの関心を「不変のもの」として捉え、他者からの評価もその関心の持続を前提に見積もるようになる。普通なら、「他者からの評価」を意識する際は、単純にその相手からの評価を最大化するように振る舞うだ…

価値基準の設定と優劣が決められる理由

判断の合理化に必要な要素

自分が選んだ選択肢が誤っていたとしても、それを正しいと信じ込みたい時はあるし、選んでしまった以上、正しいと信じ込むことが合理的な場合もある。ただどんな場合でも「信じ込める」かというと、必ずしもそうではない。 XとYという二つの選択肢で悩んだと…

軸足を定めることで強迫観念が消失する理由

例えば読書に関して、向学心の強い学生なら「読むべき本は全て読まねば」などと思うかもしれない。そういう学生は何か本を勧められると、「読まなければならない」という強迫観念が生じる。 強迫観念から脱する一つの方法は「軸足を決める」こと。例えば、「…

報酬獲得のタイミングを制御する意義

ある行動を起こして報酬が得られれば、その行動は強化される。行動を起こした後に、100%でなくても、一定の確率で報酬が得られれば強化されるだろうし、何もしなくても得られる場合があるが、行動を起こすとその確率が上がる、という状況であれば行動を起こ…

返礼の意義

「好ましい相手との関係を維持する」ということがまずあると思うけど。 なんかこう、「相手から好ましい行為を受ける」と必然的にその相手への関心が高まるわけだけど、「返礼」することで「好ましい相手」が自分に接近するタイミングをコントロールし、精神…

信義とかギブアンドテイクとか

「自分がもらっただけのものを相手にもあげるべき」という規範は直感的に理解しやすいが、合理的であるとは限らないし、そもそもそれに従って生きてる人間はそう多くない。 そういう規範が成り立つためには、「相手に与える」ことが負の報酬であり、その絶対…

量と確率と価値

金は多ければ多いだけ、交換可能なものが増える。しかしテストの点数はどうか?「高い方が価値がある」ということは一般に受け入れられるだろうが、100点が98点よりどれだけ価値があるのか判然としない。 目標が大学入試の場合、模擬試験で高い点数を取るほ…

決断の構造

一つのシンプルな解釈は、好ましい要素と好ましくない要素を列挙して、それらを足し合わせて(好ましくないものは負の値)正になったら(あるいは一定の閾値を越えたら)実行するというもの。ただ「好ましい要素」が直接自分の経験に基づくものでないと、高…

報酬の用途

何か作業をしていて、「気分を和らげるもの」が欲しくなる時がある。それが欲しくなる理由は何か? ある目的のために「考えなければならないこと」がいくつかあったとする。しかし「考える」ことも意志によって自在にできるわけではない。そこではいくらかの…

作業を完遂するのに必要な要素

個人的に1.目標を定める2.やることを決める3.やる気を出すかなと思ってる。 「2.やることを決める」は、目標に基づいてやるべきことを具体化するという文字通りの意味で、特に追記することはないんだけど、1と3については少し追記を。「1.目標を…