軸足を定めることで強迫観念が消失する理由

例えば読書に関して、向学心の強い学生なら「読むべき本は全て読まねば」などと思うかもしれない。

そういう学生は何か本を勧められると、「読まなければならない」という強迫観念が生じる。



強迫観念から脱する一つの方法は「軸足を決める」こと。

例えば、「法律は自分の専門なので、その領域の読むべき本は全て読むが、それ以外の領域は興味をもったものだけ読む」など。

こういった戦略がなぜ機能するか?



「読むべき本は全て読まねば」という強迫観念は、おそらく「将来的に一端の人間になりたい」という願望に根差している。

その願望を持ち続けるためには、そのための方法を実行し続けるしかないが、それは強迫観念を生む。

であれば目的の達成に至る道筋を明確にし、「法律関係の勉強はコンスタントにやる。それによって専門性を確立し一端の人間になる。それ以外は興味が向いたら」というスタンスを確立することが重要である。


願望自体を捨てられるのであればそれでもいい。

捨てられない場合には、それを達成する最小限の方法を見極め、願望の達成のために動かなくていい時間を確保することが肝要である。