判断の合理化に必要な要素

自分が選んだ選択肢が誤っていたとしても、それを正しいと信じ込みたい時はあるし、選んでしまった以上、正しいと信じ込むことが合理的な場合もある。

ただどんな場合でも「信じ込める」かというと、必ずしもそうではない。


XとYという二つの選択肢で悩んだとしよう。

XとYはA、B、Cの3つの要素から成るとする。

値が大きい方が好ましいとして、XはA=100、B=50、C=70、YはA=80、B=100、C=50とした場合、どちらを選ぶか?

特定の要素に着目して選ぶ方法もあるし、重みづけして合計する方法もあるし、単純に合計する方法もある。

上記の場合、単純に合計すれば、Yの方が好ましい選択肢だったということになる。


ただ判断する時点で、XとYがA、B、Cの各要素をどの程度持っているか分からなければ、適切な選択ができるとは限らない。

仮に上記の条件で、Xを選んでしまったとしよう。

単純な合計ならYの方が上なので、誤った選択をしたことになる。

ただ事後的に「Aの要素を重視したのだ」という言い訳をすれば、一応筋が通ることになる。


ポイントは、「事後に合理化するためには、選んだ選択肢が局所で勝ってる」ということ。

これがX(A=700、B=50、C=40)、Y(A=80、B=100、C=50)だったとすると、どの要素もYの方が勝っているので、「Xが正しかった」という解釈を行うのは困難である。