2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

学習の特性を考慮した行動戦略

例えば、ADHDでは部分強化の効果が弱いという知見がある。それが正しいのであれば、ADHDの人間が学習するためには、部分強化ではなく連続強化が必要ということになる。しかし「報酬を確実に得る」こと自体が困難なので、連続強化が常に実現できるわけではな…

先を見越した行動の困難さ

「遠くの利益」が単独で提示されるなら、それを選択するのは容易なのだが。しばしばそれは多少の労力を伴うし、それ以上に、目の前の報酬獲得をいくらか先送りしなければならないのがネックである。 例えば「宿題をやるか、ゲームをやるか」。

義務の遂行の習慣化

何か好ましいものを手に入れる行動が習慣化するのは容易に理解できる。だが明確な報酬を伴わない「義務の遂行」はどのようにして習慣化されるのか? 「義務を遂行しないと罰が与えられる」という状況なら分からなくもないが、必ずしも罰を伴うわけではない。

報酬ベースと手がかりベース

オペラント条件付けは、「手がかり刺激→行動→報酬」という流れだが、習慣化に必要なのは、「手がかり刺激→行動」の流れを円滑にすることだと思う。

習慣化までの経過

例えば「空いたペットボトルをすぐ捨てる」という行動がどのように習慣化されるか。いきなり0から1に飛躍するのではなく、まず「ボトルの中をすすぐ」ところまでできるようになり、その後空いたボトルをその場で完全に処理できるようになるのだと思う。

「やれるだけのことをやる」ために必要な認識

どれだけやれば目的達成できるか分からない状況で「やれるだけのことをやる」という選択は割とオーソドックスだが、それを実行するにはいくつかの条件が必要となる。まず、目的の達成がそこまで容易ではないという認識は必要だろう。また、目的達成までの道…

思考の転換に必要なこと

例えば、何らかの行動・戦略を遂行している時に、別のものに切り換えるには、その行動・戦略だけでは不十分だという認識が必要である。また、何か手に入らないものに執着している時、そこから離れるためには別のもので代替することが重要である。 上記の「不…

先を見越した行動の必要な学習

単純な、未来の大報酬と、即時の小報酬を選択させる課題でも、「待てば後で大きな報酬が得られる」ことが十分学習されていなければ、前者を選択することはまずないだろう。(人間なら推論でそれをやることも不可能ではないが)

報酬とADHD

ADHDがドーパミン系の機能不全によるという話はよく聞くし、DAT阻害薬で症状が改善することもある。意図する行動の遂行が困難な場合に、別の報酬を設定し、DAレベルを高めることで、行動を惹起するのに不十分なcueの効果を強めることも可能であろう。ただそ…

同質性の認識とその効用

例えば、一週間後までの宿題が出たとする。計画性のある人間は早めに片付けるだろうし、計画性のない人間は直前にやることになる。早めに片付けるために必要なものは先見性と言えるかもしれないが、他にも必要な要素はある。 宿題を先送りする人間の言い訳と…

先見性が働くために必要なこと

例えば、「文房具を使った後で、元の場所に戻す」。必要なのは「後で使う時に元の場所に戻さないと不便」という考えで、それには「次の状況」の想起と、それと現在の行動の関連の意識が不可欠である。

細部に拘る理由

例えば、映画監督が言う「雲の形が気に入らないから撮り直し」みたいな。それが最終的な成果物に与える影響は小さいわけだが、ついつい拘ってしまう場合がある。

保留癖と二次強化

「保留にしておく」ことである程度満足してしまうのは、二次強化によるものと解釈できるかもしれない。つまり、「取っておく→後でそれを消化する」という流れが学習されていれば、前段階だけで多少は満足できるという。

義務感について

生物の行動は報酬によって駆動される場合が多いが、そうでない場合もある。いわゆる「義務感」はどのようにして生じるか? 行動を起こさないと罰が与えられる、もしくは行動を起こさないと好ましい何かが失われる、という状況で、負の結果を避けるために行動…