報酬の大きさとは

報酬の価値を定量することは難しい。

1億円は数字の上では1万円の1万倍の価値があるが、人間にとって1億円はそこまで価値がないだろう。

1万円ならすぐに具体的な使い道を思いつくが、1億円だと持て余してしまうからだ。

(この辺はすでに山ほど研究があるので、詳細は割愛する)


金銭は生理的欲求を直接充足しない高次の報酬なので、もっと低次なものを考えてみる。

例えば、2個の飴玉は1個の飴玉の2倍の価値があるか?

2個の飴玉も1個の飴玉も、単位時間当たりに得られる刺激の強さは変わらない。(1個ずつ食べるのであれば。2個同時に食べてもそう変わらないが)

ただ2個の飴玉は1個の飴玉よりも刺激の持続時間が長い。

このように「持続時間」である場合もあるし、「激辛カレー」が普通のカレーよりも少し値が張るように、刺激の強さそのものの場合も考えうる。


ただ現代の人間は「刺激の強さ」も「持続時間」も比較的容易に充足できてしまうので、「価値の大きさ」は「充足できる欲求の多様さ」であることが多いように思う。



そもそも「報酬の大きさ」と「行動を促す力の強さ」は等価だろうか?

おそらくそうではないだろう。