2013-01-01から1年間の記事一覧

過度な一般化を防ぐために

ここでは「一般化」は広い意味で用いる。演繹の連続、くらいの意味。 例えば、他者との関係において、一個人の自分に対する評価が、人間全般に適用されると考えると、非常に丁寧に対応する必要が出てくるわけだが、実際はそんなことはないし、そこまでする必…

しばらく間をおくと行動を起こすコストが上がる機構

何気なくやっていたことでも、しばらく間をおくとなかなかできなくなる。まぁ技術的なことに関しては当然と言えるだろう。ただ、技術が問われるわけではないが、間をおくことで手順自体はだいたい覚えているのに、細かい部分で迷いが生じて行動が起こしにく…

ストレス耐性とか緊張感とか

ストレス耐性が具体的に何を指すのか明確でないが、肝心なのはストレスに対して反応しないことではなく、ストレスが加えられた後に過度に弛緩しないことだと思う。「過度な弛緩」が問題なのは、行動を持続できなくなるからだけではなく、外部の現象から自分…

学習によって行動を抑制する機構

痛い目に遭って、その状況をもたらした行動を抑制するようになる、というのは理解しやすい。では、何か好ましいものを得た時、または得ている時に、それを脅かす行動を避けるのかどのような機構によるか?単純に考えると、喪失による負の報酬誤差が、ストレ…

モチベーションの維持にとっての他者の存在

報酬が得られる(成果が出る)のが先でも、途中で他者の評価が受けられれば持続しやすい。また、行動中も他者の存在を想起すると、(評価を受けた経験が乏しくても)即時の報酬が得られない行動を持続しやすい。

保留する基準とか合理性とか

行動の実行を一定期間保留することで、労力を小さくできたり、効果を大きくできたりする場合がある。あるいは判断を一定期間保留することで、判断の精度を高められることもある。ただそういった合理的な理由なしに、単なる怠惰から実行や判断を先延ばしにす…

分節化の適切さについて

自分の周囲の世界を細かく分節化する人もいれば粗く分節化する人もいて、どちらも極端でない限りはそれなりにやっていける。もちろん「適切な分節化の程度」というものも想定できるだろう。漠然と「周囲の情報の分節化」では理解しにくいので、「目的達成の…

目的の上下関係とその切り替え

前回のエントリの場合、「校内テストで上位に入る(総合点を上げる)」ことは「数学で90点以上取る」ことより上位の目的のはずである。しかし、下位の目的の方がその明確さゆえに、上位の目的よりも重要なものとして感じられる場合がある。 どの段階の目的に…

目的と行動の対応の調整とか、目的の適切な切替えとか

例えば、「校内のテストで上位に入る」という目的があったとする。もう少し具体的に10位以内としよう。科目は英・数・国・理・社で、総合点で順位を決める。この場合、目的達成のためには総合点を上げればいいので、英語の勉強をしてもいいし、数学の勉強を…

ストレスとか抑制の程度について

外部から好ましくない刺激が与えられればそれはストレスになるし、それをもたらした行動は抑制されるだろう。「好ましくない刺激」が物理的なものなら、刺激の内容(強度)とストレスや抑制の強さの関係を理解しやすいのだが、精神的なものだと難しい。 精神…

言われたことをすぐやるために必要な要素

1.すぐにやった方が、記憶力的・モチベーション的に有利だという理解2.実行するノウハウ3.現在進行してる楽しい出来事に依存していないこと あと不可欠というわけではないけど、4.義務をすぐに果たした方が、脳のキャパを節約できるという理解 やは…

思考を転換する契機

この場合の「思考の転換」は、ある程度目的を指向していて、その目的を切り替えるような感じ。当然、目的を達成するとか、十分な満足感を得ることは強力な契機になる。それ以外には何があるか? 何か困難に直面して事態が進行しなくなった、というのもあるだ…

適度なストレスを受ける意味

「適度なストレスが必要だ」とはよく言うが、それがどのような効果をもたらすのか明確ではない。日々の緊張感を維持する効果はあるだろう。しかし、一時的に強烈なストレスを受ける、あるいは一時的に負荷の強い作業を行うことで、その後の行動に何か好まし…

現状に即した満足感の修正

初めて経験することで、十分に満足できる場合もあるが、そうでない場合もある。過大な期待を抱いており、不満が大きくなることもあるだろう。あまりにも期待外れであれば、二度とその経験をしようとしないかもしれないが、「やや期待外れ」程度であれば、し…

行動の必要性の判断

「今日できることを明日に延ばさない」という文化の国もあれば、「明日できることは今日やらなくてもよい」という文化の国もある。国籍を問わず、多くの人間は後者の行動原理の方が馴染みが深いだろう。 何か目的があるとして、目的達成の必要性から、労力を…

男女の責任割り当ての違い

何か好ましい刺激を得た場合、それをどのように(原因に)割り当てるか。原因が自明ならさほど男女差・個人差はないだろうが。 有力な原因があるとしても、複数存在する場合には、男は全般的に割り当てる傾向が強いと思う。逆に女は、有力な原因を一つ抽出し…

手抜きと報酬感

慣れると手を抜きたくなるのは、人間の普遍的な心性であろう。ただ、どの程度手を抜くか、どのタイミングで手を抜くかには個人差があるし、状況にも依存する。個人差はともかく、「手を抜くべき状況かどうか」は、目的達成の困難さによって評価すべきだが、…

ストレスとドーパミン系

ストレスによってドーパミン系が亢進するという報告はそれなりにある。ドーパミン系への学習への関与を考えると、ストレスを生じる新規な環境への適応を促すため、という解釈は可能かもしれない。しかし、適応できない環境下で、亢進したドーパミン系によっ…

情報量と情報の効果

情報が好ましいものか好ましくないものかが、情報量と独立に決まるのであれば、入ってくる情報量を増やすことはそれ自体、中立的である。 実際のところ、極端に情報量が増えると、それは好ましいものとしては処理されず、ノイズのような扱いになるのだと思う…

切り込むために必要な能力

文字通り切り込むのではなく、大勢の人間が行動を起こす際に、最初の一手を打てる能力について。例えば、学会発表の場で最初の質問をするとか。それがなかなか難しいことは、誰しも分かると思うが、それが難しい理由は何か? すぐに思いつくものとしては、「…

関連性の認識について

ある概念と別の概念の間に関連性を見出す基準、というのは明確でない。様々な要素があるだろうし、それらを定量化するのも困難である。 比較的理解しやすいものとして、「時間的な近さ」が挙げられる。時間を置かずにほぼ同時に生起するものであれば、関連性…

定量的な判断に必要な経験

例えば、利益と費用を計算して、全体でプラスになるか計算するとか、得られる利益と得られる確率の積を計算して、期待値を算出するとか、そういった定量的な判断も人間は行っている。もちろん、厳密に解が求まるわけではないし、利益や報酬感を確実に最大化…

依存する要素の選択

経済的な依存の話ではなく、薬物依存ほどではなくても特定の事物によって常に報酬感を得ようとすることについて。依存する対象は具体的な物である場合もあるが、抽象的な観念の場合もある。依存する対象が抽象的な観念であるなら、同一の事物の異なる要素を…

実効力のない抑止力

例えば子供の行動に対して、親が力づくでも止めるという姿勢を示せば、子供の行動が抑止されるのは理解しやすい。しかし、「親が小言を言う」だけで、子供の行動が抑止される場合があるのはなぜか? 子供が親の機嫌を過度に伺って、少しでも不機嫌になるなら…

類似物の希求と要素の抽出

「類似」であることを認識するには、関心を持った対象から要素を抽出し、その要素を別の対象にも見出すことが必要になる。

価値の消尽について

ある時価値を感じたものでも、後になったら価値を感じないということがある。また価値を感じていたとしても、別のもので完全に代替できるなどの理由で、そのものを保持しておく必要性を感じないこともある。 「価値を感じなくなる」のはなぜか?また、ものを…

注目する対象と、得る刺激の多様性

当然の話だが、注目する対象を変えれば、異なる刺激を得ることができる。逆に注目する対象を固定してしまうと、得られる刺激に変化が乏しく飽きてしまうことが多いが、注目する対象は固定したまま様々な刺激が得られる場合もある。例えば、注目する対象をあ…

欲しがり続けることと、一度で満足すること

何か好ましいものを手に入れても、それを失うことが恐怖になるなら、全体としてよいことなのか分からない。行動の場合も同様で、ある行動で報酬を得たとしても、その行動が強迫的になってしまうのなら、あまり好ましいとは言えない。何かを望んでそれを手に…

類似物を欲しがる心理

何か気に入ったものができると、それに似たものも欲しがるようになる。例えば、ある作家の作品にハマったとして、同じ作家の別の作品も買いたくなるとか。あるいは、ある曲を好んで聴いていたとして、そのバージョン違いが欲しくなるとか。 単純な強化の枠組…

完璧主義についての一考察

以前のエントリでは、「正の報酬予測誤差を連続させるため」という結論だった。それもあるとは思うが、目的間の関連性も重要ではないかと思う。 どういうことかと言うと、人間には達成可能な目的と不可能な目的があり、不可能なものは無視すればいいわけだが…