2012-01-01から1年間の記事一覧

苦難を求める理由

そこそこ裕福な家の生まれなら、レールに乗ってさほど苦もなく生活していくことはできるだろう。しかし若者、特に男性はそういう生き方を嫌悪し、あえて苦難の道を選ぼうとする。これはなぜか?また「苦難」とは具体的にどのようなものか? 「苦難」とイコー…

対人関係における行動の価値

物を相手にする限り、行動が無為に終わることはあったとしても、負の効果をもたらすことは少ない。基本的に成功するまで試行錯誤すればいい話である。では対人関係についてはどうか?人間同士の高度なコミュニケーションにおいては「タブー」が多く、行動が…

「対立」や「矛盾」の認識

数学の世界なら「矛盾」が生じるかどうかは明確だが、現実では見極めが難しい場面が多い。そもそも厳密な「矛盾」はまず起きえない。起きるのは(労力等のコストを考えると)両立はまず無理というケースである。 もちろん経験を積めば、両立するかしないかを…

受容と排除の境

例えば他者との関係において。特に理由がなければ、自分の周囲の人間、あるいは自分にアプローチしてくる人間は受け入れればいいと思うが。例えば女性が交際相手を選ぶ場合、好ましいと感じた男性が「結婚したら主婦になってほしい」と思っていたとする。主…

手法を限定する意義

ある目的を達成する方法は無数にあるだろうし、その全てを実行する必要はなくてもいくつかが必須である場合は多い。例えば大学受験などは、一つの教科だけ勉強しても合格は困難で、全教科を完璧に仕上げる必要はなくても、主要教科をおおよそ網羅する必要は…

枷が満足感を高める機構

自由を生かすために

人間は自由を与えられると不自由になる、とよく言われる。実際、与えられた裁量を十分に生かすことは難しいし、心理的な満足度も必ずしも裁量の大きさに比例しない。与えられた自由を生かすために必要なことは何か? 逸失利益・機会費用を気にしない自由度が…

復讐とかモラルの喪失とか

「目には目を」は割と普遍的な人間の行動パターンではあるが、「痛い目に遭ったら同じことをやり返す」あるいは「相手がルールに反したら自分も従う必要はない」という発想は必ずしも自明のものではない。

関連性の認識と有限性の認識

例えば若いころは自由主義的な思想にハマりやすい。自由主義から最初に受ける印象は「枷が小さい」というものであろう。ゆえに最初は好ましく感じるのが普通である。 しかし、「自由にすると様々な弊害(不正や、競争による疲弊、不平等の拡大など)が生じる…

有限性とモチベーション

高校の勉強と大学の勉強は、質が違うのでどちらが難解かというのは自明ではないが、高校の勉強は覚えるべき内容が決まっており、教科書を網羅すれば事足りる(数学などはそれでは厳しいけど)という点でいくらか楽だし、モチベーションも維持しやすい。「や…

前提知識とsalience

報酬と関連付けられることでsalienceが大きくなる、ということはあるだろう。それとは少し異なり、報酬以外の「前提知識」がsalienceに影響を与える場合について考える。 例えば、「模試で偏差値70を取った」というのはそれなりにスゴイが、偏差値がどういう…

抽象化の程度について

「適切な抽象化のレベル」は必ずしも自明ではない。物理法則であれば、「質量」「速度」といった要素が重要であり、「物の色」などは動きを予測する上で不要だと言える。つまり、「適切な抽象化」の方法が存在する。ただ日常において「適切な抽象化」のレベ…

一般化と予測誤差

例えば一定の力でボールを蹴り、その後のボールの動きを観測する。何度か観測すればボールの動きは予測可能になる。 ではボールを蹴る力を加えたらどうか?物理法則を知っていればその場合でも最初から予測可能だが、知らなければボールの動きは「新規な情報…

先に進むか、引き返すか

すでに実行してる選択肢を継続するか、諦めて別の選択肢を選ぶかは悩ましいところだ。得られる成果は異なるだろうし、どちらが正しいかは状況による。またどちらを選ぶかも経験やその人間の性格による。 ただ一つ重要だと思う点は、おそらく成功が続いている…

未経験の「恩恵」を見切ることが難しい理由

例えば二つの選択肢を比較するとする。どちらも過去に選択した経験があれば、どちらが有利か正確に予測できるし、状況の変化に応じて選択を変えることもできる。しかし、そこに未経験の選択肢が含まれていると、選択は困難になる。具体的には、「就職か大学…

greedyな行動を取るために

例えばピザ屋のポイントが貯まっていれば、料金を払わずに注文することができる。特に規約上問題ないが、「宅配してもらうのに料金を一銭も払わないのは申し訳ない」と考える人もいるだろう。性格の問題でもあるのだが、ある時点までそういう考えを持ってい…

プライドについて

プライドの解釈はいろいろあると思う。プライドの高い人間を外部から見ると、「欲求に対して正直でない」ことが多い。というか、欲求を特定の行動で充足できるにも拘わらず、行動を起こさない。もちろん、その行動自体が好ましいもの、あるいは中立的なもの…

師弟とか媚びとか

教育が産業と化した現在でも、師弟関係を上手く維持することは専門知識を得る上で重要である。とすると弟子の立場で関係の円滑化を図るためには、師に媚びる必要があるのだろうか? ある面ではそれは正しい。ただ露骨な媚びでなくても、学ぶ熱意や上達を示せ…

他の手段の存在とモチベーション

何らかの活動をしていて、目的の達成のための解決策が一つ浮かんだとする。ただその方法はそれなりの労力を必要とする。もちろん他に解決策がないのなら(目的の達成のためには)それを実行するしかないが、「少し検討してみる」ことで解決策が浮かびそうな…

不安と希望の境

現在の予測と異なる現象を想起した場合、それが(現段階での期待を脅かす)不安要素として認識される場合もあれば、(さらに状況を好転させる)希望として認識される場合もある。どちらとみなすかは現在の予測と想起した現象の関係によるが、個人の性格にも…

「無駄になるかもしれない」ことをやるために必要なこと

「無駄になるかもしれない」ことはなかなか手がつけられない。ただ、実際はそういうことでも着手した方が後の利益になることが多い。そういう作業に取り組むために必要なことは何か?中には「常に勤勉たるべし」「無駄なことなど何もない」という考えだけで…

個性とか独創性の希求について

年を取ると「平凡でも満ち足りた暮らしができればいいんじゃね?」と思うものだが、若いころは個性やら独創性やらに拘る。これはなぜか? 一つの考え方は、「他者からの評価(注目)」をある一点で充足しようという意図なのではないかということ。「一点で充…

フィードバックの速さとモチベーション

人間は効果のない行動を持続するのは困難である。ただ「効果がない」ことを認識するまでの時間には個人差がある。 「効果がない」ことを認識するのが早い人間は、必ずしも正しく現状を認識しているわけではない。本来なら時間がたてば効果が出るものでも、観…

諦めやすさと関連性の気づきにくさ

どちらも自閉傾向と関連があると思う。で、さらに似たような機構によるのではないかと。 「諦める」とはすなわち、報酬を得る前に行動の動機が尽きることで、「諦めない」ためには報酬が得られない状態でも、過去の報酬と関連付けられたものが想起できること…

学習の方法とモチベーションに関する一考察

例えば大学受験に関しては様々な「学習法」が提案されている。効果的なものもあればそうでないものもあるし、効果に個人差もある。実際のところどの方法でも大きな違いはないだろうし、併用することも可能なのだが。 高校生くらいの段階だと、必ずしもそうい…

性格と処世術

例えば、特定の組織がリーダーの後継者を選ぶ場合、単純に成績だけでなく、日頃の振舞いなども考慮して決めるのだろう。ただ「日頃の振舞い」は定量化しにくいので、(評価する側はともかく)評価される側はどの程度労力を割くべきか、また「何に(具体的に…

難易度とsalience

学習が行われていない状態で、特定のものなり行為なりのsalienceは生得的な外界の事象への反応性に依存する。報酬との関連付けが行われた場合、一般にsalienceは強まるが、それは報酬の大きさにも依存するが同時に起こさなければならない行動の難易度・労力…

単一の目的に対し、手法が多いと心地よい理由

強化学習の枠組みに無理やり当てはめれば、目的は報酬に相当し、手法は手掛かり刺激もしくは行動に相当する。 ある目的が単一の手法で解決できるなら、単一の手法しか手掛かり刺激にならない。またある目的の達成に複数の行動が必須なら、一つでも実行できな…

偏差値至上主義とか

高校などの模試の成績や偏差値に異常なほど拘る人間がいる。あの手の指標が魅力的である理由は何か? 自分の優秀さを示すものだし、入れる大学のランクに影響するので、実益にも寄与する。ただそれだけが理由ではないだろう。 おそらく「単一の指標」を上げ…

目的のシフトとか純粋主義とか

特定の目的に向かって努力していたとして、その目的の達成が不可能だと分かったとする。ただ目的を少し変えれば達成が可能だし、今までの努力を生かすこともできる。そういう状況で「目的の修正」ができることはモチベーションを維持する上で重要だが、若い…