ADHD傾向のある学生のための勉強法

複数の作業を同時に進めるべし

例えば最終的な目標までにやるべきことが複数ある場合、一つ一つ片付けるのではなく、一斉に手をつけて同時並行で進めていく。

そうすることによって、一つの作業に集中できる時間が短くても、対象となる作業を転換することで集中できる時間を引き延ばすことができる。


不合理だと分かっていても、思いついたらやってみるべし

突飛な思い付きだと自分で分かっていても、それをやらないことには集中できないかもしれない。

一度やればそれなりに満足できるかもしれないし、一度試みて大した成果が得られないと分かれば、その後はそのアイディアに振り回されないかもしれない。


予定に合わせるよりもやる気に合わせるべし
例えば「今日は図書館で世界史の勉強をする!」と計画しても、いざ図書館に行ったら数学の勉強がしたくなるかもしれない。

計画を忠実に実行することに意義を見出す人間もいるが、モチベーションの制御が困難な人間もいる。

そういう人間は、「その場のやる気」を最大限に活用するしかない。

そのためには、例えば上記のように世界史の勉強をする予定でも、念のために複数の教科の教材を持っていく、といった方法が考えられる。

一見(余計な荷物が増えるので)非効率だが、モチベーションの制御が困難な人間にとっては、それが最善の策である可能性もある。


範囲を狭めるべし

「複数の作業を同時に」と一見矛盾するんだけど、類似の内容(例えば同じ科目)であれば、あらかじめ扱う範囲を限定し、それを完遂することを目標にした方が捗るような。


大雑把な把握から始め、何度も学習すべし

これはADHD傾向のある学生に限った話ではないのだけど、最初から完璧に覚えようとするより、まずは大雑把に通して学習し、その後詳細な学習を行うという、同一内容を複数回学習する方法の方が効率が良い。

ADHD傾向がある場合、「関心が逸れやすい」わけだが、すでにある程度知っている内容であれば、「全く分からん」という状況にはなりにくく、やや負荷の高い「詳細な学習」にも耐えられるのではないかと。


やはり朝の学習が効果的?

記憶が定着しやすいからというよりも、余計なことが頭に浮かびにくいという意味で。


すぐに答えを見るべし

受験勉強などでは「すぐに答えを見ずに熟考するのがよい」と言われることもある。

もちろん、暗記に限らず数学や国語の問題も「知らなければ答えようがない」ものが結構あるので、そういった場合に熟考する利点はない。

まぁ一部の問題(数学など)では熟考することで記憶の定着が促されたり、応用力が伸びたりするのだが、ADHD傾向のある人間はフィードバックをすぐに得ないと別のことに関心が移ってしまう場合がある。