価値の大小とは

ある美術品は別の美術品より価値が高いが、それは何によって決まるか?

もちろん、市場でつく値を基準にするという比較方法もあるのだが、ここでは人間的の根源的な価値判断について考える。


「美術品が見たい」という場合、実は細分化された様々な欲求が存在している。

鮮やかな色彩を感じたいという欲求もあれば、人物の深みのある表情を味わいたいという欲求もある。


ある欲求を完全に満たすことができるかどうか、という問題もあるのだが、各欲求は比較的簡単に飽和するので、むしろ重要なのは「どれだけ多くの欲求を満たすか」ということだと思う。

大雑把に言えば、多くの欲求を満たすことのできるものほど価値が高い。


ただなんつーか、価値の高いものに固執した状態で価値の低いものを見ると、落胆せざるを得ないのだが、比較対象を特に置かずに、そのものに意識を向ければ、「価値の低いもの」からでも相応の満足感を得ることができる。