ASの生きづらさ

自閉症の問題として「比喩が分からない」というものがあるが、比喩を理解できたとしても、そういった傾向が多少なりともあると、様々な弊害を生じる。

例えば、寓話は作り話を通して、何らかの処世訓を読者に与えることが多いが、そこで提示される処世訓を理解するのは、自閉傾向のある人間にとって困難である。

話自体はできるかもしれないが、自分が似たような状況の置かれた時に、「似た状況である」と認識することができない。


こういったことは、「他者の行動から学ぶ」という場面でも起こりうる。

他者の状況とそこでの行動と結果から、因果関係を理解することは可能だろうが、肝心なのはそれを自分の判断に生かすことである。

他者と全く同じ状況が生じることはないので、多少違う状況でも類似性に気付くのが重要なのだが、自閉傾向があるとそれが難しい。


そういった問題があるので、知的な遅れがなかったとしても、自立して社会生活を送ることは困難になる。