社会の発展と競争の激化

この場合の「競争」は、必ずしも生存の困難さや、勝ち抜くことの困難さを意味しない。

どちらかというと競争(相手)の規模が大きくなるというニュアンス。

特に職を得る際の競争に関して。


社会の構成員の大半が農業を営んでいた時は、「他者より抜きん出る」必要性は薄かっただろう。

もちろん、農業技術を高めるなどすれば隣の畑よりも生産量が増えるかもしれないが、別にその競争に負けたから不利益を被るわけではない。

自分が必要な分を清算できればそれで充分であろう。

また、農家の子は基本的に家の仕事を継ぐわけで、そこ子が優秀でないと継げないということは考え難い。(健康である必要はあるが。また近代以降は次男以下が都市に流れることもあるかもしれない)


自営業者が多い世の中でも、そこでまで過酷な競争はなかったと考えられる。

もちろん、商売敵との競争はあるが、その家の子供に生まれれば、高い確率で親の仕事を継ぐことになる。



しかし会社が大規模化し、一部の大企業が雇用のかなりの割合を担うようになると、状況が変わってくる。



「代替可能」な人間として扱われる場合、細かい能力や属性がクリティカルになる場合がある。

例えば年齢や学歴など。