行動の転換の基準

目的達成のためにAという方法を実行しているが、なかなか上手くいかないとする。

そこでしばらくAを続ける場合もあるだろうが、別の方法を考えるのが普通だろう。

Aの他にBという方法も浮かぶのであれば、なおさら行動を転換する可能性が高い。


しかしこの「行動の転換」は必ずしも合理的に行われるわけではない。

AとBの成功確率を比較して、高い方を選ぶということは、多くの人間は行っていないはずである。


ある者はBの方が有望だと感じていながらAを続けるし、ある者はAの方が有望と感じていながら続けることができず、行動を転換してBを行う。

各方法の成功確率が漠然としか見積もれない場合には、このようなバイアスはさらに強くなる。


このようなバイアスには先天的な要素もあるだろう。

おそらくASの人間は前者が多いだろうし、ADHDの人間は後者が多い。

ただ育った環境や直近の経験による影響もあると思う。


直前に行動の転換なしに成功した経験が続いていれば、行動を転換せずにごり押しする傾向が強まりそうである。

では恵まれた環境で不自由なく育った場合はどうか?

上記からの類推で行動の転換が起こりにくいような気もするが、低いストレス耐性と「不意に楽な方法が訪れるかも」という楽観的な態度によって、行動を転換することの方が多いかもしれない。