ドーパミンと関心の固定と関連性の学習
ドーパミン放出の意義はいろいろあるだろうが、特に重要なのは現在の関心事をしばらくの間「固定」しておくことだと思う。
別のものとの関連性を学習する場合でも、まずそのものへの関心が持続することが学習に不可欠である。
ドーパミンの放出量や感受性にはある程度個人差もあるだろう。
またそれ以外に、生育環境による影響もあるかもしれない。
その傾向が持続するかどうかはともかく、欲しいと思ったものがすぐ手に入る環境であれば、ドーパミン分泌は促されるように思う。
逆に欲しいと思ったものがなかなか手に入らなければ、何らかの形で放出が抑制される。
では経験によって(次回以降も)放出が抑制される機構はどのようなものか?
強化学習ベースの脳理論では、皮質のニューロンとその投射先の線条体ニューロンが共に発火し、かつドーパミン入力が入らない場合には、皮質―線条体シナプスでLTDが起こる。
線条体ニューロンはドーパミンニューロンを抑制する経路もあるので…
…あーでもこれはむしろ、「報酬が得られないことで期待値が下がり、次回以降はドーパミンが放出されやすくなる」機構か。
ただ皮質に状態というか外部からの刺激が反映されて、線条体に行動がコードされるとすれば、報酬が得られないことで手掛かりとなる刺激を受けても、行動が発現しにくくはなる。