努力と創意と発見

仕事の質を上げることだけが能力の向上ではないことは以前述べた。

ある目的の実現のためにこなさなければならない仕事が複数あるとして、それぞれの仕事の質を高めるのも重要だが、最終的な目的のためにどの程度の仕事が最低限必要か見極める能力も同じくらい重要である。

上記の二つの能力はともに単一の目的の存在を前提にしたものだが、そもそも目的自体を発見することが何よりも重要である。

では目的の発見のために必要なことは何か?


経験の幅を広げれば、目的自体も見つかりやすくはなる。

最終的な目的は、様々な事象を統合する抽象的なものかもしれないが、個々の雑多な刺激がその端緒を与える可能性がある。

もうひとつ重要なのは、既存の目的に囚われすぎないことだろう。

明確な目的が脳裏にあれば、その目的に沿った見方しかできない。


上記の3つを仮に努力と創意と発見と呼ぶとすると、それぞれは完全に別個のものではない。

たぶん創意は努力と発見の中間に位置する。