不正を告発すべきか否か

「不正を告発すべきか否か」には様々な要因が絡む。

とりあえずあからさまに法的にアウトなケースは除外する。

法的にグレーで、組織の倫理的にもマズイだろうという場合に、相手(同僚なり上司なり)の問題を本人もしくはさらに上の人間に伝えるべきかどうか?


自分に利益があるかどうか、は組織内の力学などによる。

それを完全に予測するのは困難だが、そこから結論を出せる人間もいるだろう。


しかし組織の力学がよく分からない人間もいる。

そういう人間はどうすべきか?

自分は相手の行動に対して「ありえない」と感じているが、他の同僚は「許容範囲内」と認識していたとする。

同僚の感覚を「正常」とみなして、告発するのをやめるべきだろうか?


…おそらくその必要はないと思う。

自分がおかしいと思ったらおかしいと言うのがまず何よりも基本となる考え方だ。

ストレス耐性の強い人間もいるだろうが、組織内での行動の是非は、全ての人間のストレス耐性が高いことを前提に評価されるべきではない。

実際問題、「自分がダメージを受けた」という事実が何よりも重要である。


「組織内の力学」に基づいて「おそらく告発しない方がいいだろう」と判断したならそれでも構わない。

ただ一つ論点となるのは、「告発しない」ことで明確な利益が得られるわけでもないのに、告発を断念したという経験は、後の自分の行動のパフォーマンスを低下させる虞があるということ。