アンカーリングが働く機構

例えば、あるものの値段が安いか高いかを判断する場合に、「他のものと比較」するが、そもそも「他のものとの比較」が絶対的な適正価格の見積もりに寄与するわけではない。

にも拘わらずそれを頼りに判断しようとするのは何故か?


まぁそういった比較をしなくとも、「買うものの効能」と「払う金額」の比較で買う買わないを判断することはできる。

ただ美術品などの場合、「買うものの効能」を見積もるのは困難ではある。


購入の判断を動的な過程と考えた場合、比較対象の想起によって購入側、あるいは購入を断念する側に強く動くという可能性は考えられる。

つまり大部分の選択は静的な価値の判断によるのではなく、動的な概念の想起によってどこかで閾値を越えたら行動を起こす、という仕組みなのではないかと。

その際に効果を発揮するのが、「アンカーリング」ではないかという。