蓄積する悦び

〈関連エントリ〉

現実世界で上手く「蓄積」するには - jotunの頭の中

蓄積するということ - jotunの頭の中

完璧主義について - jotunの頭の中

所有という概念について - jotunの頭の中


「蓄積」に関しては以前エントリを書いたけれども。

「蓄積」が強力な快楽として機能するためには、下記の条件を満たす必要がある。

1.蓄積した量を把握できる

2.蓄積したものが他の何かに役に立つ(用途が広いほど良い)

3.蓄積し続けることができる

まぁ「金(かね)」がその最たるものだと思うけど、オンラインゲームのレベル(経験値)などは、数字ではっきり蓄積量が表示される上、役に立つ(敵を倒しやすくなる)し、蓄積し続けられる(レベルがカンストしない)ので、上手く設計されているなと。


あとまぁ細かいことだけど、

4.蓄積するものは(目的達成の上で)代替不可能

ってのも重要かな?不可欠とは限らないけど。

例えばさっきのオンラインゲームの例でいくと、課金アイテムなどで簡単にレベルを上げられてしまうと、「金で代替できる」ことになるので、蓄積する意義が薄れてしまう。

ゆえにオンラインゲームの多くは、金を直接経験値に変換する形式を取らず、「得られる経験値が2倍」といった方法を用いる。

この場合、経験値を得る方法として「敵を倒す」ことは依然必須であり、代替不可能性は崩れない。


こういう欲求は寿命の長い生物には重要なんだろうけど、オンラインゲームなどはその欲求を逆手にとって、金を巻き上げているわけだ。

パチンコなんかも見事ですね。

パチンコの場合、蓄積した量は「玉」という物理的実体として把握できるので、ゲームの「数字」よりも強力?定量的な把握も重要だが、「箱数」によって概算することも可能。

またパチンコの場合、出てきた玉を換金できるので、オンラインゲーム以上に「他のことに役立つ」。

基本的に上限もないので「蓄積し続けられる」。

まぁパチンコの場合、「同じ商品を金で買えばいいじゃん」とか、「どうせ金にするなら地道に働けばいいじゃん」というのはあるんだが…

景品を非売品にすることで「代替不可能性」を演出する場合もあるかもしれませんね。


ちなみに上記の要素を備えているだけでは退屈するので、予測不可能な要素、新奇な要素を織り込むことも重要。

パチンコの場合は当たる確率を調整し、予測不可能性を絶妙に演出しているし、オンラインゲームの場合には新規なイベントを適宜追加することで、プレーヤーを飽きさせない。