過大評価のリスク

「競争相手を過大評価して無駄な努力をする」というのが典型的なんだけども、他者の能力に限らず、他人の要求や課題の難易度を過大評価することも含めて議論しようと思う。

基本的に過小評価した場合に、相手に負けたり、誰かに怒られたり、事業に失敗したりするわけで、過大評価の場合にはそういう短期的な危険性は小さいわけだけど。


ただ、潜在的にはリスクが存在する。

過大評価する人間は、特定の成果を得るために余計な労力を割く必要があるので、その労力が割けない場合に成果を諦める事態に陥りやすい。

本来なら自分の能力の範疇で成果が得られるはずの場面で諦めるとしたら、それは明らかな損失だろう。


「ギリギリの要求水準を見抜く」にはそれなりの経験が必要となるので、日々それを探る必要があるのだが、
課題の遂行能力が高かったり地道な作業を苦にしないタイプだったりすると、「要求水準を見抜く」努力を怠り、
不要に高い水準の成果を出すことで要求水準が不明確なまま要求をクリアする方法を選んでしまいがち。

おそらく最終的に大きな成果を上げられるのは、「要求水準を見抜く」ことと「高い成果を出す」ことの両方ができる人間だろう。

まぁ「バランスが重要」という月並みの結論になるわけだけど…