salienceとカテゴリ分類

人間は外部の膨大な情報に対して、それらを上手くカテゴリに分けることで対処するが、どのカテゴリに入れるべきかは自明でないし、そもそもどのようなカテゴリを設けるべきかも決まっていない。

様々な論点が考えられるが、とりあえずカテゴリはすでに用意されていて、しかもどのカテゴリに分類するかは何らかの方法で決定できるとする。

ここでは新奇な情報に対して「既存のカテゴリのどれかに分類する」か「新たなカテゴリを作る」かをどのようにして決めるかを考えてみる。


もちろん、すでに知っているものに類似していれば、それと同じカテゴリに分類するだろう。

またすでに知っているもののどれとも全く似ていなければ新しいカテゴリを設けるはずである。

しかし大抵のものは「似ていると言えば似ているけど似ていないと言われれば似ていない」といった具合に認識されるので、判断に困る。

まぁ「どこかに閾値があってそれを超えたら新カテゴリ」というのが単純な考え方ではあるが。

機械学習の分野でもこのような「自律的な」カテゴリの生成法は存在する。


個人的にはそこで重要なのは、情報のsalienceだと思う。

salienceが大きければ新カテゴリを作るし、小さければ作らない。

salienceは類似した刺激を受けていれば小さくなるだろうから、そういう意味では上記の考え方と同じである。



そもそも「カテゴリ」の機能は何か?

単純に受けた刺激を「解釈する」だけでなく、そこから何か行動を起こすため利用されているはずである。

そういう意味では、同じカテゴリに属するものは、同じ行動で処理できなければならない。



そう考えると、salienceの強い新奇な刺激は、「新たな行動の模索」をするのに十分な動機を与えるものである。



しかしそもそも「新たな行動」とは何か?

全く無から新規な行動を生成することは不可能なので、結局は何らかの過去の経験の模倣に過ぎない。