大学生のうちに理解すべきこと

基本的に知識や技術の類はその人間が必要性を感じたタイミングで修得すればいいと思うのだが、非常に有益なものは多少無理をしてでも早い段階で身につけたほうがいいと思うので。


外部の情報には恣意性がある

特に各種製品orサービスの広告に関して。

基本的に商品売ろうなどといった目的があれば、利点を強調したものになる。

単純に「信用できない」ということだけでなく、信頼性を維持したい企業の意図や法律から「信用できる部分」を見抜くことも重要である。

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恥を捨てることで得られるものは大きい

就職して企業などに所属してしまうと、行動の縛りが大きくなるが、大学生は法律や学則に触れない限り何をしても自由なので、そのアドバンテージは生かすべき。

ただその時に最大の障害となるのが「恥をかきたくない」という心理で、それを捨てられるかどうかが充実した大学生活を送れるかどうかに大きく影響する。

「捨てろ」と言われて簡単に捨てられるものでもないが、例えばその心理が「築いてきた自分の評価を下げたくない」という理由に基づいている場合、本当に行動を起こしたら評価が下がるのか、そもそもその評価を維持することにどれほどの意味があるのか、考えてみるべきだろう。


意欲は環境で決まる

「やる気が出るかどうか」はその場の気合でどうにかなるものはなく、置かれた環境で大部分決まってしまう。

それを自覚するのがまずは重要。自覚した上でどういう環境に身を置けばよいか考えるべし。

「切磋琢磨できる仲間」や「尊敬できる師」の存在はもちろん重要なのだが、単純に「忙しい環境の方がやる気が出る」といった予定・システム・所属組織に依存する要素もある。

また全般的な意欲ではなく個別の意欲(プログラミングのスキルを上げる、部屋をきれいにする)は、それが評価される仕組みを自分で作る(プログラミングのコンテストに出る、部屋に友人を招待する)ことが肝要である。


PDCAサイクルを意識することが肝要

ビジネスの世界では有名な、Plan→Do→Check→Actのサイクル。

Actionは行動と言うより、「計画の修正」というニュアンス。

子供のうちは目的達成の手段について、他人からの伝聞など、自分の経験以外に基づいて評価する場合が多いが、そこそこの年齢になったら基本的に自分で思考錯誤することで、効率のよい方法を見出すようにした方がよい。

上記のサイクルのうち特に重要なのは「Check」で何によって評価するかということが大学生の場合には肝になるように思う。

自分で適切に評価できない場合には、外部の人物・組織(友人とか、技能認定の組織とか)を適宜利用するといいだろう。


人間には心理的なバイアスが生じる

心理的なバイアスは山ほどあるので、全てを把握することは不可能だが、いくつか重要なものを挙げてみる。

例えばサンクコストバイアス。

それまでの投資が大きいと、投資が効果を持たない状況でも高く評価してしまうという。

大学時代はまだ進路に関する迷いがあると思うのだが、そこで今まで学んできたことを生かそうと考えすぎて、自分の適性を無視してしまうとさらに何年も無駄にすることになる。

行動経済学の分野でこの手のバイアスはいろいろ研究されているので、その分野の本を何冊か読んでみるといいかも。

例えばコレとか。→なぜ選ぶたびに後悔するのか - jotunの覚え書


感受性は年々下がる

同じような出来事による満足感・ストレスは、年と共に小さくなる。

それを考慮した上で「先見性」を生かすべきだろう。

例えば「恥」をかいてもそれは将来はどうでもよくなっている可能性が高い。

それと引き換えに大きなビジネスチャンスが掴めるのであれば、多少無理してでも行動を起こす価値はあるだろう。