借りとか後ろめたさとか

返済が義務であり、かつ返済が遅れるほど状況が不利になる場合(利息が大きくなるとか)なら、借りを作ることを躊躇するのは当然である。

また、借りを返すことをはっきりと求められなくても、利己的な人間に借りを作ると後々面倒になりそうなので、それを避けようとするのも分かる。

ただ、借りを返すことをまず求めなさそうな善良な人間が相手であったとしても、それでも「借りを作る」ことを好ましく思わない心理が人間にはある。

これはなぜか?


一つの理由は、あらゆる人間と対等でありたいと望む心理だろう。

それ以外に、好ましい手段の調達を他人に委ねてしまうと、それが永続するとは限らないのに依存してしまうので、避けようとする、という面もあるのではないか。


ちなみにその「永続しない」リスクは、相手との関係が希薄であるほど大きくなるし、相手を御することが難しい(相手の方が立場が上とか、性格が読めないとか)場合にも大きくなる。


合理的な「リスク」の計算以外に、自分にとって常に視界に入る(刺激を頻繁に与える)対象でないと、「手段の想起(誰かに頼るという発想をすること)」自体がやや面倒なのかもしれない。