無知とモチベーション

「経験が乏しいためにモチベーションが維持できる」ということは起こりうる。

例えば、前回述べた「規範の順守」は、成果を上げる術を知らないから可能になる場合がある。

これはなぜか?


前提条件として、成果を上げる術は知らないが、成果を上げる必要性は感じていて、かつ規範が漠然とした指針になると認識していることが必要である。

ここで、自身の経験に基づいて具体的な術を知っていれば、「漠然とした指針」などというものに価値を見出さなくなる。


強化学習の枠組みで考えると、他者からの伝聞などから、抽象的な指針が疑似的な報酬(他者の成功体験等)で強化された、ということか。

また、自身の経験に基づく場合でも、経験が不十分で何が成功の要因か特定できていない段階では、「抽象的な指針の強化」は起こりうる。