不確実な状況での判断

「不確実な状況での判断」といっても様々なものがあるが、下記のような場合を考える。


生物系の学科は就職に不利だということは、学部生でも薄々気づいているのだが、それでも生物学への関心などから修士・博士に進学する者もいる。

もちろん、学問の内容に拘らず大卒の資格が欲しいだけの人間は学部卒で(生物学と関係なくても)入れそうな会社に入るだろうし、生物系の会社にそれなりの競争率を勝ち抜いて入社する人間もいる。


ただ、臨機応変に就職先を選ぶ機転に欠けるが、学問への興味が強く、またペーパーテストに強い人間であれば、就職時の路線変更よりも医学部への編入or再入学の方が現実的な場合もある。

で、そのタイミングは学部在学中(基本的に再入学)の時もあるし、学部卒業後(編入or再入学)の時もあれば修士や博士に進学してから、あるいはポスドクとして数年働いてから、というケースも考えられる。

もちろん医師になってからの給与の総額を考えれば、早い時期に編入or再入学した方が賢明であろう。

ただ、生物系の学科のまま研究者になり、いずれ大学教員になるという道も(競争率は高いが)残っているので、その可能性を切り捨てて別の進路を選ぶかどうかは、かなり迷う状況である。


医師になった場合の有利・不利、生物学を続けた場合の有利・不利などを知り尽くした上で判断できるのなら、問題ないのだが。

ただ大学生くらいだと必ずしも十分な情報を持っていない。

また、サンクコストバイアスにより、今まで学んできた生物学の知識(これは無駄になるわけではないが)や、生物系の学部卒(あるいは修士号、博士号)の価値を否定して別の進路を選ぶのは心理的にも難しい。