復讐する心理
何か尊いものが他者の手によって失われた場合、他者を攻撃することによって満足感を得ようとする場合がある。
これは何故か?
当然だが、他人を攻撃したところで、「尊いもの」が返ってくるわけではない。
上記のような思考は実益をもたらさないので合理的ではないが、他者の存在によって尊いものが失われたという因果関係自体は正しい場合もある。(少なくとも本人はそう認識している)
その因果関係によって、尊いものを欲する心理が、それを喪失させた他者への攻撃へと駆り立てるのではないか?
「復讐」だといろんな要素が絡んでくるので、もう少し単純なケースについて考えてみる。
目の前に食べ物があって、それを奪おうとする人間がいたとする。
食べ物が欲しければ、他人を排除しようとするだろう。
この心理はどのようにして生じるか?
前提となるのは、まず「食べ物を欲している」ということである。
んで、(相応の学習が必要だが)「奪おうとしてる他者の排除」は「欲しているもの手に入れる条件」として認識される。
たぶんそれを学習するためには、「得られると期待していた食べ物」が「他者に奪われて得られなかった」という経験が必要である。(まぁ類似の経験から演繹することも不可能ではないだろうけど)
その際に、負の報酬予測誤差が生じ、原因と思しき事柄にattributeされる。
それによって「原因の排除」にある種の価値が生じるのではないか?