2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

価値の変動について

外部の事物の価値は、そのものについての情報(評価)が更新されなくても、生理的欲求や直前の経験(文脈等)によって変化する。

予測できる結果を求める行動と、予測できない結果を求める行動

例えば「自動販売機に硬貨を入れてボタンを押す」という行動は「ジュースが出てくる」という結果を予測した上で行っている。しかし人間は「何が起こるか分からない」状況でも行動を起こす場合がある。まぁ「もしかしたらよい結果が得られるかもしれない」と…

保留について

価値があるかないか分からないものを「とりあえず取っておく」という心理について。価値があるかないか分からないのであれば、捨ててしまうのが合理的のような気がするのだが。「取っておく」にはコストがかかる(保存する場所とか)ので、ある程度価値が担…

目的の自然な移行

理由がなければ目的は保持されそうな気もするが、「より目先の目的を優先する」という傾向もあるのではないか?

スムーズな目的の切り替え

例えば内々での会議の資料を印刷しているとして、両面印刷すべきところを誤って片面印刷してしまい、資料が分厚くなってしまったとする。最終的な目的が「会議でアイディアをまとめる」ことであれば、両面印刷だろうが片面印刷だろうが、何の問題もない。た…

固執とは

何度も触れた話題ではあるのだが。欲求自体が持続するというよりも、手掛かり刺激後に報酬を得ないことによる「負の報酬予測誤差」に耐えられないのではなかろうか? 負の報酬予測誤差が生じた場合に、「諦める」か「無理やり手に入れる」かを決める要因は何…

予測に関する一考察

「予測」という言葉にさほど意味の広がりはないかもしれないが。 「予測」は未来の出来事を予想するわけだが、重要なのは「その出来事が自分の意志とは関係なく起こる」ということである。「明日はプリンが食べられるかも?」という予測は、自分でプリンを買…

欲求充足時の虚しさとその解消法

欲求が充足されても虚しく感じる時はある。「虚しさ」を感じる条件はなんだろうか? 報酬獲得によってそれに先行する刺激にsalienceが割り当てられるが、そのsalienceが「能動的に獲得する必要がある報酬」しか予期しないと、虚しさを感じるのではないか?一…

所有とか蓄積に関する一考察

何か好ましいものが手に入ったとして、それを手にした時点である程度欲求が充足できたのなら、すぐに手放してしまってもいいはずである。もちろん、「将来また欲しくなる」という予測に基づいて合理的に振舞った結果が、「所有」なのかもしれない。しかし「…

ショートカットの存在とモチベーション

ある目的があったとして、地道にやれば達成できることが分かっていたとする。目的に十分な価値があって、かつそこに至る労力がそこまで大きくなければ、時間はかかったとしても無難に遂行できるだろう。

感受性に応じた解釈の選択

子供は往々にして純粋主義者になりがちだと思うんだが、それは経験の不足だけでなくて、頭の状態に合わせたものなのかもしれない。 子供は基本的に感受性が強く、弱い刺激(単調な、あるいは少数の)でもそれなりに楽しめる。「純粋主義」が別に悪というわけ…

salienceと検索範囲の限定

例えば部屋に置くテーブルを選ぶとする。購入したばかりの家に置くので、なるべくよいものを選びたい。しかし、この世にはほぼ無数のテーブルが存在するので、購入可能なもの全てを検討することは不可能である。ではどこで検索を打ち切るか?具体例としては…

特殊性に依存した判断

例えば、受験前なのに丸一日勉強しなかったとする。この状態が改善を要するかどうについて、その日あった出来事が「特殊」ならば仕方ないと判断し、「平凡」なら策を講じなければならないと考える場合がある。このような判断はどのようにして生じるのか?

感受性とか言葉とか抽象的思考とか

個人差もあるだろうが、子供の頃は「言葉」の影響を強く受ける。親から「お前はダメな子だ」と言われたら、それが絶対の真理だと信じ込んで絶望するかもしれない。あるいは、「絶対に約束だ」と言われたら、それが破られることは想定しないだろう。 年を取る…

飽きに関する一考察

強化学習にしろ二次強化子の概念にしろ、報酬はそれに先行する刺激に価値を付与し、また付与された価値によってさらにそれに先行する刺激に価値を付与する。「飽きる」という状態を「新たな刺激に価値を付与できない状態」と定義することはできないだろうか…

思考の転換と割引率

例えば、カレーが食べたくてカレー屋に入ったとする。注文してから何分で出てくるかは店によって違う。なるべく早く出てきた方がいいのは当たり前だが、人によって「15分くらいなら気にせず待てる」人もいれば「5分以上待つなら別の店で食べた方がいい」とい…

心理的制約の生起と解消

例えば、朝起きて会社に行きたくなかったとする。ずっと布団の中にいて、会社をすっぽかすという選択肢もあるが、多くの人間はそれを選ばない。なぜつらい思いをしてまで「会社に行く」という制約を自らの行動に課すのか? 「無断で休むと怒られる」からかも…

処理の単純さと報酬感

好ましい刺激を得ると人間は報酬感を感じるが、手間を省けた時にもある種の報酬感が生じる。「手間=負の報酬」で、「それがなくなる=正の報酬」という解釈もできるのだが、他の見方について検討してみる。 まず「手間」がかかるだけならわざわざその行動を…

責任の所在と強化学習

ある報酬が特定の人物によってもたらされた場合、その人物(の行動)に価値が付与される。ゆえにその報酬が欲しくなった場合には、その人物にねだるという方法を取るだろう。 しかし同じものを自分で手に入れられるようになると、普通自分で手に入れる方が他…

生理的欲求と手がかり刺激

生理的欲求はincentiveによって喚起される面もあるが、driveによって生じる側面が強い。driveによって生じる欲求はdriveがなくなれば基本的に消失する。ゆえに「金」や「芸術」のように、報酬価値が生理的要求によらないものとは別個に考える必要がある。 例…

コストよりも大きい報酬の獲得と、それによって生じる枷

例えば誰かの「恩」を受けると、その後その人のために働かなければならないという心理的な枷が生じる。これを「恩を受けた→気に入られればまた何かがもらえるかもしれない」という一種の条件付けとして解釈することもできるだろう。しかしそれ以外にも、ミク…

報酬と強迫観念

何か大きな報酬を得た場合、それをずっと手元に置いておきたいとか、類似のものも手に入れたいといった感情が往々にして起こる。この感情は場合によっては強迫観念に近いものとなりえる。このような感情はなぜ生じるのか?

因果関係の理解と報酬の割り当ての限定

当然の話だが、因果関係を明確に理解している場合には、得た報酬を割り当てる行動はそれをもたらしたものに限定されてしまう。宗教などの場合にはそれすら捻じ曲げてしまうが、一般にそういったことは困難だろう。 因果関係の理解と言うか、割り当てる対象の…

差異の認知と疎外

いじめの構造として、まずある人物に「自分たちと異なる性質」を認識し、その相手を排除するという場合が多い。「排除」と言っても「不快だから視界から排除する」というのではなく、あくまで攻撃を楽しむために排除するケースが多い。厳密には排除と言うよ…

価値の付与が自由に行える場合に、何に付与すべきか?

直感的に重要そうなのは・発展性がある・容易に手に入る・

必要性に基づく行動価値の割り当て

一連の行動の後に報酬が得られた場合、各行動にどの程度の価値を割り当てるかは議論の余地がある。合理的に報酬への「寄与度」算出して、というのが一つの可能性だが。実際には寄与度というよりも、行動をこなす際の労力に応じて、価値を割り当てているよう…

人格形成について

結局、内部だけを変えることは不可能で、周囲の環境の変化とセットにするしかないよね。

一般化と報酬予測誤差

前回のエントリで、一般化の条件は様々な刺激(状態)に対して報酬予測誤差が生じなくなることではないかと述べた。そういう見地に立つと、一般化の機構に関して何か示唆が得られるのではないか? Aが起こると報酬が100%得られ、Bが起こると報酬が70%の確率…

新規探索傾向について

物珍しいものを求める傾向というか。 感受性の強さを反映してるのか弱さを反映してるのか微妙なところである。感受性が強ければ(客観的に見て)同じようなことの繰り返しでも毎回その人なりの発見があるので飽きず、わざわざ別のものを求めようとしないのか…

自ら操作しなくても望ましい刺激が得られる状態

例えば「他人に仕事を任す」とか「コンピュータに自動で株取引をさせる」とか。単純に手間が省けるから好ましいという面もあるのだが、それ以上にこのような状態は安心感をもたらす。それはなぜか? 肝心なのは最終的に得られる「刺激」はほぼ固定されている…