2011-01-01から1年間の記事一覧

有限、転換、相対化

人間の思考が行き詰るパターンにはどのようなものがあるか?いくつかあるだろうが、「喪失するものの価値を無限に見積もって身動きできなくなる」というのがよくあるケースではないだろうか。例えば、特定の他者との関係性の維持に「無限の」価値を置いてし…

ボトムアップの人生設計

最近はいろんな所で使われるけど、一応説明しておくと「ボトムアップ=下から積み上げる」で「トップダウン=上から命令を下す」みたいな感じね。人生設計にボトムアップが必要だと思うのは、トップダウンによる設計が破綻するケースをいくつか目にしたため…

仲間の存在の判断への影響

「仲間がいること」は、個人の判断に大きな影響を及ぼす。例えば、道を歩いていたら、やたらと肩をいからせて歩いてくる不良を見かけたとする。一人でいる時はなるべく関わらないようにするが、仲間といる時はむしろからかってみようとするかもしれない。こ…

大学生に伝えたいこと

注力すべきか視野を広げるべきか?難しい問題ではある。現在の就職の厳しさ等を考えると、在学中に難関資格を取っておいたほうが…などという発想になるのかもしれない。ただどんな難関資格を持っていても就職できない、あるいはその資格を生かした仕事が合わ…

精神的な充実と世俗的な充実

定義はいろいろあるかもしれんが、ここでは「精神的な充実=主観的な満足感」「世俗的な充実=客観的・社会的・物質的満足感」ということで。「社会的満足感」はあえて後者に分類する。 前者は内部(精神)の状態によって規定されるし、後者は外部の状態によ…

思考の集中の程度と失うことへの恐れ

「喪失の恐怖感」が、喪失する対象への執着によって生じるであろうことは以前述べた。要するに、「失ってもいいや」と思えるのなら、恐怖感は生じない、という。 しかし、「執着」の程度は様々で、「一定時間特定の対象に関心が集中する」という程度であれば…

人間関係の持続に必要な要素

もちろんいろいろあるわけだが、両者は相手の存在を好ましい存在として生活様式に組み入れることが不可欠だと思う。何というか、相手のことを好ましく思っていても、その相手に対してかなり気遣いが必要だと感じる場合には、その相手の存在が必ずしも自分の…

日常に潜む過剰なコスト

「無駄なコストの削減」が求められるのは、企業だけではなく個人も同様である。その場合のコストは、具体的に労力である場合が多い。ある意味自分の労力は無から生まれるわけなので、そのコストの削減について真剣に考えないものかもしれないが、長期的に成…

同一視するパターン

ここでは「同一視」という言葉を少し緩い意味で用いる。完全に「同じもの」でなくても「同じように使えるもの」とか「同じ要求を満たすもの」という。 特定の二つのものを「同一視」する際には二つのパターンがあると思う。一つは二つに共通する要素への着目…

他人に教わるか自分で試行錯誤するか

学習における主体性の有無、と言い換えてもいい。自分の場合、どちらが向いているかは状況によってブレるし、他者からの評価もまちまちだ。他人に教わるのも自分で試行錯誤するのも嫌いではない。 プログラミングやら英語やらは基本的に独学で身に付けたし、…

内面の素晴らしさとは

「人間は外見じゃなく中身だ!」なんてことを言いますよね。別に偽善と言うつもりはないし、内面も重要だとは思うんだけど、では「内面の素晴らしさ」とは何なのか?ある程度普遍的な価値が存在するものなのか?そんなことを少し考えてみたい。 「内面」とい…

目に見えない価値

行動選択は基本的にコストとベネフィットの比較で行われるが、目に見える価値のみをベネフィットとして設定すると、しばしば選択を誤る。「若い頃の苦労は勝手でもしろ」というのは一理あるのだが、苦労なら何でもいいというわけではないし、そういう大雑把…

2位じゃダメなんですか?

有名な蓮舫氏の発言だが、完璧主義の志向と関連して少しこの言葉について考えてみたい。スパコンのスペックが同じであれば、1位だろうが2位だろうが価値にさほどの差はないように思える。もちろん、「技術提携相手を選択しようとする他者(他国)」の存在…

選択か集中か

「選択と集中」というと、限定された資源をどのように投資すべきかといった文脈でよく出てくるが、ここではそれとは異なる意味で用いる。 「目の前の仕事に打ち込め」という箴言は正しいだろうか?他に合理的な選択肢が存在しないのであれば正しいだろう。存…

いつも予測を外す人

精度よく未来の予測ができたら、あらゆる局面で役に立つ。予測の精度を向上させるのは一筋縄ではいかないだろうが、「いつまで経っても精度が向上しないパターン」について考えてみる。参考になるか分からないが、「いつも予測を外す人」のテンプレとしては…

思考の転換を促す言葉

「執着を断ちきる」とか「行動の自由度を挙げる」と言い換えてもいい。そんな言葉を思いつく限り列挙してみる。 ・死んだら何も残らない ・死んだら人々の記憶にのみ残る ・絶対的な価値のあるものなど存在しない ・他にもっと価値のあるもの(こと)がある…

拘りとか執着とか喪失の恐怖とか

どれも同一の脳内機構に由来するのではないかと。基本的に「特定の対象への意識の集中(の持続)」だと思う。現在意識がどこかに向いており、そこに新しい刺激が加えられた時にそちらに移行するか否かで、移行しない場合が多い性向。 それが「喪失の恐怖」に…

完璧主義について再再考

結局「完璧」という状態に至るわけではないので、一定の性向の話なんだが。ある仕事の着手している場合、完璧主義者はその質が高くなりやすいが、完璧主義の本質を理解するためには、負の面に目を向ける必要がある。 一つは「完璧を目指すために着手するまで…

完璧主義について再考

以前も論じたが、少し見解が変わったので。「完璧」という状態には人間は達しえないわけで、ではなぜそれを目指すのかという話なんだが、以前は「完璧」を「自分の認識できる『不足部分』がなくなる状態」として定義した気がする。それが間違っているとは思…

概念の適用範囲と価値

学術の世界だと、より一般性のある理論がもてはやされる。この場合の「一般性」は適用範囲が広いという意味ね。物体の速度が高速でない場合に近似的に成立するニュートン力学より、高速(光速)でも成立する相対性理論が優れているように。 では、一般性のな…

固執する性向に基づく性質

「誰々は○○主義だ」とか「誰さんは××的なところがある」とか、人間は他者を様々な尺度で評価するわけだけど、多くの性質は「固執する固執しない」の軸でおおよそ説明できるというのが私の持論。もちろん全ての性質が、というわけではないが、かなり多くの尺…

新規な情報の扱い方とか一般化とか

何かしら「新しさ」のある情報が入ってきた時に、それを完全に新規な情報として扱うのか、既存のカテゴリに分類するのか、既存の概念の組合せで解釈するのか、といった問題は人間の認知に関する重要な問題だと思う。おそらく自閉症の人が辞書的な記憶の仕方…

明るさとか活発さとか粘り強さとか

「粘り強さ」というのは、障害があっても問題解決を諦めない態度、といった意味で理解しやすい。「明るさ」とか「活発さ」は単にテンションの高さを指す場合もあって、解釈にブレがあるが、関心の広さや物事を肯定的にとらえる態度と捉えられなくもないだろ…

負け犬の価値観

判断のミスを合理化するためのものや、能力の低さを前提にした短期的戦略など。あるいは下の立場の人間をうまく動かすための伝統的価値観。 言動には一貫性を持たせるべき 他人に迷惑をかけてはならない 借りは必ず返さねばならない 選択肢を狭めて自分を追…

緊張感を上げる方法

忙しいと緊張感が上がり、ストレス耐性もある程度上昇する。ストレス耐性というか、「面倒だがそれなりにやりたいこと」ができるようになる。緊張感が低いと、「面倒くささ」が優先して、行動を起こすことが出来ない。 ではいかにして緊張感を上げるか。組織…

価値の創造とは

全ての価値は人間の欲求に根ざす。人間の欲求は本能的なものから高次のものまで様々。本能的な欲求は文脈にあまり依存しないが、その欲求を満たすだけの事物はそこまで高く評価されない。高次の欲求を充足するものは場合によっては非常に高く評価されるが、…

キャリア設計に関する一考察

視野を広げるべきか狭めるべきか、が一つのポイントかと。起業などを除けば専門職でも一応「就職(被雇用)」という形を取ることが多いので、基本的にその枠組みで考える。就職をしようとした年度にまぁ数万とか数十万とか求人があるとして、その何%をター…

問題の一般化の練習

以前「特殊化」の方法について述べた。自分にとって不利な要素は特殊化すべきだが、有利な要素は一般化して、他の行動のモチベーションに変えるべきだろう。 大雑把に言えば、共通する要素について着目すればよい。あるいは本質的でない差異を無視する。具体…

何事もない人生を生きる

よく言われることなんだが、子供の頃空想していた「自分の人生」と比べると、現実の人生は「何事もない」と形容される場合が多い。そこには「面白い出来事が起こらない」ことと、「時間の経過が早い(人生が短い)」ことの2つの要素があると思う。ではその…

ポイントはそこじゃない

論じるべきポイントを外している例などを列挙。 「ウチみたいな小さい会社の方が若者はいい経験が積めるのに、皆大企業に行ってしまう。もったいない判断をするものだ。」経験以外の要素に関してはどうなのか?若者の「判断」の時点で全てが決まるかのような…